NEJMに日本の未破裂動脈瘤の自然経過のまとめが報告された。結論から直径ごとの診断後1年間で破裂する確率をまとめると下記の表にまとめられる。N Engl J Med 2012; 366:2474-2482
動脈瘤径(mm) | 診断後1年間に破裂する確率(%) |
---|---|
3-4 | 0.36 |
5-6 | 0.50 |
7-9 | 1.69 |
10-24 | 4.37 |
25以上 | 33.40 |
1年での確率で言われてもピンとこないかもしれません。そこで、P:x年以内に破裂する確率、p:上記表の径から導かれる確率、x:診断後経過年数として大雑把なモデルで、5年後、10年後、20年後に破裂している確率を計算してみましょう。
rupture <- function(x, p) {
1 - (1 - p/100)^x
}
x <- c(5, 10, 20)
径が5-6mmの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、
rupture(x, 0.5)
## [1] 0.02475 0.04889 0.09539
径が7-9mmの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、
rupture(x, 1.69)
## [1] 0.08169 0.15671 0.28886
径10-24mmがの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、
rupture(x, 4.37)
## [1] 0.2002 0.3604 0.5908
径が>25mmの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、
rupture(x, 33.4)
## [1] 0.8690 0.9828 0.9997
見通しが良いようにグラフ化すると、
x <- c(1:30)
plot(x, rupture(x, 0.5), type = "l", lty = 1, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), ann = F)
par(new = T)
plot(x, rupture(x, 1.69), type = "l", lty = 2, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), ann = F)
par(new = T)
plot(x, rupture(x, 4.37), type = "l", lty = 3, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), ann = F)
par(new = T)
plot(x, rupture(x, 33.4), type = "l", lty = 4, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), main = "脳動脈瘤のサイズと予後", xlab = "診断後年数",
ylab = "破裂する確率")
legend(5, 0.8, c("5-6mm", "7-9mm", "10-24mm", ">25"), lty = 1:4)