2012年7月6日金曜日

NEJMに日本未破裂脳動脈瘤悉皆調査(UCAS Japan)結果


NEJMに日本の未破裂動脈瘤の自然経過のまとめが報告された。結論から直径ごとの診断後1年間で破裂する確率をまとめると下記の表にまとめられる。N Engl J Med 2012; 366:2474-2482


動脈瘤径(mm)診断後1年間に破裂する確率(%)
3-40.36
5-60.50
7-91.69
10-244.37
25以上33.40


1年での確率で言われてもピンとこないかもしれません。そこで、P:x年以内に破裂する確率、p:上記表の径から導かれる確率、x:診断後経過年数として大雑把なモデルで、5年後、10年後、20年後に破裂している確率を計算してみましょう。

rupture <- function(x, p) {
1 - (1 - p/100)^x
}
x <- c(5, 10, 20)

径が5-6mmの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、

rupture(x, 0.5)

## [1] 0.02475 0.04889 0.09539

径が7-9mmの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、

rupture(x, 1.69)

## [1] 0.08169 0.15671 0.28886

径10-24mmがの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、

rupture(x, 4.37)

## [1] 0.2002 0.3604 0.5908

径が>25mmの場合、5年後、10年後、20年後に破裂している確率はそれぞれ、

rupture(x, 33.4)

## [1] 0.8690 0.9828 0.9997

見通しが良いようにグラフ化すると、

x <- c(1:30)
plot(x, rupture(x, 0.5), type = "l", lty = 1, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), ann = F)
par(new = T)
plot(x, rupture(x, 1.69), type = "l", lty = 2, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), ann = F)
par(new = T)
plot(x, rupture(x, 4.37), type = "l", lty = 3, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), ann = F)
par(new = T)
plot(x, rupture(x, 33.4), type = "l", lty = 4, xlim = c(0, 30), ylim = c(0,
1), main = "脳動脈瘤のサイズと予後", xlab = "診断後年数",
ylab = "破裂する確率")
legend(5, 0.8, c("5-6mm", "7-9mm", "10-24mm", ">25"), lty = 1:4)
plot of chunk unnamed-chunk-6

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