2013年2月28日木曜日

Speed Input & Rational Output

 日々、地方の現場で臨床業務に明け暮れる大多数の医師にとって、外国人の患者と接したり、国際学会に参加したりする機会は乏しい。従って、英語はオンライン文献から情報を入手するための道具であり、英語を文字情報として理解出来れば事足りてきた。しかし、近年、一流ジャーナルのポッドキャストやMOOCs(Massive Open Online Courses:大規模公開オンライン授業)の普及により、音声英語の理解が医師卒後教育の機会に格差をもたらす可能性が生じてきている。さらには、医師の根本的な技能である診断という認知作業の定式化の分野では、英語圏を中心に新たな概念が創出されてきている。また、決断という認知作業においては、感情と思考の連携が弱い分、母国語よりも外国語で行ったほうがバイアスが少ない可能性も示唆されている。

 そこで、今後、医師の卒後教育の為に特化した英語コースのパッケージ化の試行錯誤を本ブログで公開していきたい。ESP (English for Specific Purposes)の概念をさらに推し進めると同時に、従来の論文の読解、執筆を目指したものを離れ、日常診療に即したものを志向する。よって、入力系の対象は「症例報告」、出力系は「診断の思考過程」に限定する。これには、NEJM誌の"Cabot Case"や"Clinical Problem-Solving"、Journal of Hospital Medicine誌の"Clinical Care Conundrums"の連載が、打って付けである。具体的には、これらの素材を元に、ポッドキャスト該当部分を聴き取り、卓越した臨床家の思考過程をなぞり、自分なりの思考過程を英語で呟くことができることを目標としたい。スローガンは、"Speed Input"と"Rational Output"である。

 その辺を意識して、明日からClinical Problem-Solvingのディクテーションを再開の予定。

Reference

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