2014年1月26日日曜日

The pursuit of Happyness


"probable" と "possible" の違いは、ラテン語に遡ると理解し易い。キケローは著作『義務について』で、ギリシア人が「ふさわしい行為」(καθήκον)と呼んだ中間義務を「なぜそれがなされるのかについて、妥当な理由が返し与えられうるもの」(quod cur factum sit, ratio probabilis reddi possit)と定義した。まさに、現在でも法律用語として使われている "probable cause"(逮捕や捜索のための相当な理由)と同じ意味である。一方、"possible cause" となると、「あり得る原因」という意味になり、これはラテン語の"possum"(英:can)の意味を反映している。つまり、probableは「判明し得る」ということで、possibleは、ありえないかあありえるで言えば、「あり得る」ということで、同列に立つ意味ではないことが分かる。

コーパスを見てみると、その差が際立つ。
  • high/low/intermediate probability 確率、公算、見込み
  • more / less/ the most likely possibility
  • raise the possibility
  • remote / strong /leading possibility 選択肢
映画"The pursuit of Happyness"のセリフでは、その辺を簡単に説明している。
Chris Gardner: Probably means there's a good chance. Possibly means we might or we might not.
Christopher: Okay.
Chris Gardner: So, what does probably mean?
Christopher: It means we have a good chance.
Chris Gardner: And what does possibly mean?
Christopher: I know what it means! It means we're not going to the game.

2014年1月25日土曜日

This is it.

THIS

  • This patient 症例報告の主役で主語になることが多い。He, She, This man, This womanなどの言い換えの1つ
  • at this point 「現時点で」の定型句
  • in this case 日本語と異なり、「患者」と「症例」を区別にすることに注意

IT IS
下記のコロケーションが多い。受動態の仮主語、It is considered thatなどは使われないことに注意。

  • It is important to
  • It is possible that
  • It is likely that
  • It is clear whether

THERE
バラエティに富むコロケーションがあるが、一番使われるのは下の用法。

  • There is no evidence of 

2014年1月24日金曜日

Clinical ReasoningにおけるI, my & me

I
"I"の半数以上は、wouldを伴って用いられる。自分が行うわけではない行為(obtain, order, performなど)、希望(I would like/want to know)、婉曲な思考(consider)などの場合がそうである。一方、自己完結する思考(doubt, be concerned, suspect, think, wonder, believeなど)では、単独で用いられている。さらには、受身やそれに"should"を付加した表現で、"I"を仄めかすことも多く行われる。

MY
"my"に続く名詞は次のもので半数以上を占める。"diagnosis"に直接先行しないことに注意。"differential diagnosis"の意味で、簡便に"list"が使われる。

  • my leading / differential / working / clinical diagnosis
  • my suspicion
  • my concern
  • my list (checklist, diagnostic list)
  • my mind

ME
"me"に先行する動詞は次のもので半数以上を占める。"diagnosis"に直接先行しないことに注意。think, considerは、それぞれ「思う」、「考える」に該当するが、"I"の項で述べた"would"の有無同様、使役の場合のコロケーションが異なっている。

  • make me concerned / think / wonder / worry
  • lead me to consider
  • not dissuade me from 〜 〜を断念させない
  • not deter me from 〜 〜を阻止しない

2014年1月11日土曜日

"An Unusual Case of Abdominal Pain"の語彙

excruciating: extremely painful or bad(激痛の)

reassuring: making you feel less worried or uncertain about something(安心させる)
● 胎児機能不全(non-reassuring fetal status; NRFS)は、以前、胎児仮死(fetal distress)という用語があてられてきた概念。1998年、米国産科婦人科学会がこの新しい用語を提唱し、2006年に日本産婦人科学会もこれにならっている。

bland: with little colour, excitement or interest; without anything to attract attention(当たり障りのない)
● bland urine sedimentとは、蝋円柱や硝子円柱だけの沈渣のこと。沈渣に糸球体腎炎、間質性腎炎などの炎症性疾患の指標となる白血球、赤血球、細菌が認められる場合は、"active" urine sedimentと呼ぶ。

expedite: to make a process happen more quickly

amenable: that you can treat in a particular way(従順な)
● tissue amenable to biopsy 生検しやすい組織

resumption: the act of beginning something again after it has stopped(再開する)

grim: unpleasant and depressing
● 死神のことを"the Grim Reaper"とか、"the Angel of Death"とか表現する。

2014年1月2日木曜日

リスニングの出来ない"5 Whys"

ヒヤリ・ハットの解析などに"5 Whys"とか"Root Cause Analysis"という手法とかをよく耳にするようになって久しいが、それよりだいぶ以前に土光敏夫氏の日本経済新聞の連載「私の履歴書」で、失敗したときには、5回、「なぜ」を自問自答するようになさっていたという話が書いてあったように記憶する。そこで、リスニングの出来ない訳を自問自答してみる。
  1. 単語の発音をいい加減に記憶している。(Pronunciation)→とにかく聴いて記憶を修正する。
  2. 音が聴き取れない。(Sound)→とにかく聴いて慣れる。
  3. 速さについていけない。(WPM)→速読を身につける。
  4. リテンションが出来ない。(Retension)→リプロダクションを行う。
  5. 背景知識に乏しい。(Background)→地道に新しい知見を勉強する。
只管多聴からリプロダクションへ、速読を身につけるってあたりがキモでしょう。
そのためのSBOとして、下記にまとめてみた。
  • Monthly: 最新のポッドキャスト、CPS記事を毎日繰り返し、聴き、読む。
  • Weekly: 進捗状況を本ブログに公開。
  • Daily: 過去のCPS記事を一編読む。


2014年1月1日水曜日

Clinical Problem-SolvingのResponse部のムーブ一覧(私案)

  1. 疫学知識から仮説を生成する。
  2. 所与情報から仮説を生成する。
  3. 最悪のシナリオの仮説を想定する。
  4. 可能性を上方修正(upgrade)する。
  5. 可能性を保留する。
  6. 可能性を下方修正(downgrade)する。
  7. 可能性を棄却(rejection)する。
  8. 最も尤もらしい仮説を選択(selection)する。
  9. 仮説を検証(test)する。
  10. 一般論に言及する。
  11. 自分の考えに言及する。
ムーブ分析についての参考文献