投稿のタイトルを「病因学と症候学の狭間」としたのは、岩田健太郎先生の著作にインスパイアされて、疾患は、病理学的病因(もの)と患者の知覚体験(こと)の間の結節点としての観念的概念であると思い至ったからである。診断学が単純な病名当てクイズ "guess the disease game" ではないという想いも暗に込めた。(病理学と症候学のさらに外側の病因と公衆衛生を繋ぐものが疫学で、基礎・臨床・社会医学の円環が完成する。)
下記項目のタイトルは、PDCAに、()内は、グラフィカルなイメージに残るよう上下左右 "Superior, Inferior, Sinistral, Dextral" に準えた。
Patient (Sufferer)
- 不安による症状の修飾 “Fear always springs from ignorance.” ― Ralph Waldo Emerson
- 隠匿 "Everybody lies" ― Dr. House 必ずしも悪意からではないが、典型的なのは、薬、酒、暴力、事故、労災など。
- 「知之為知之、不知為不知、是知也。」論語<為政>
- "Risk comes from not knowing what you're doing. " ― Warren Buffett
- ついでに言えば、クセジュは、韓国語で救世主の意味。
- 不知の自覚、メタ認知が重要。その他、コミュニケーション不全、疲労など生理的限界、認知的限界、環境の障害、どんな職業でも多少なりともそうだが、パイロット兼アテンダント、プレイイングマネージャ、社会人vs家庭人としての診断家等々。
- 診断家の脳の容量を補完するものとしてコンサルト、同僚への相談、紙媒体やウェブのリファレンスがある。
- "Listen to your patient, he is telling you the diagnosis." ― Sir William Osler
- シニフィアン:症候の有無、長短、強弱、テンポの組み合わせ
- さらなる病歴、自然経過、介入結果(診察、検査、診断的治療)なども鍵となる。
- 手がかりは、どんなにモダリティが進歩しても最終的には、患者の訴えと診断家の認知機能に依拠せざるを得ない。
- “Medicine is a science of uncertainty and an art of probability” ― Sir William Osler
- 診断家の認知能力のバイアスのかかった患者の嘘を、患者プロファイル、病因、症候、疫学、自然経過、介入結果から得られる情報により、仮説の蓋然性を操作することによりシニフィエを読み解く作業。
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