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今回の最終診断は、tenofovirによるファンコーニ症候群。この冠名症候群は、スイスの小児科の先生Guido Fanconi先生が類似症例報告をまとめて
"nephrotic-glucosuric dwarfism with hypophosphatemic rickets"(Lignac-De Toni-Debré-Fanconi Syndrome)という概念を提唱したのが、始まりとか。症例報告は大切ですね。その診断に至った肝の部分を抜粋したのが、下の文。- In this patient, the combination of normal parathyroid hormone levels and hypokalemia makes renal Fanconi's syndrome the most likely diagnosis.
- In our patient, the normal levels of FGF-23 and parathyroid hormone, coupled with the presence of glycosuria, hypokalemia, and metabolic acidosis, confirmed the diagnosis of renal Fanconi's syndrome.
前半では悪性腫瘍を考えていたのに方向転換できたのが、低カリウム血症がきっかけとしているのだが、あちらの検査では、Basic Metabolic Panel(日本では、ドラマERのヒットでCHEM-7の言い方が有名。SMA-7とも言うらしい。)がルーチンで、その7項目は、Na、K、Cl、HCO3、BUN、Cre、GLUだから、ルーチン検査でAnion Gapが計算できるわけ。ルーチンでHCO3を測定しない日本では、高Cl血症に着目出来るかどうかが運命の分かれ道になりそう。意外と、クロール値の十の位スイッチが、0か1かってのは大切。
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